一時保育は、すでに述べたように家庭で養育されている子どもが、 何らかの事由で一時的に保育を要する状態になった時に、保育所が その子どもを保育することを目的とする事業である。その利用事由 の具体的事例としては、保護者がパート就労等により断続的に家庭 養育が困難となった場合や、保護者が傷病等により緊急一時的に児 童の保育が必要となった場合などがあげられ、これらは家庭及び地 域の養育機能が低下した現代社会にあっては、子育て家庭を支援す るうえで必要性の高い業務である。 また、保護者の育児疲れの解消等の私的理由で利用する場合もあ り、このニーズは福祉施設である保育所の利用のあり方として消極 的な議論も一部にはみられるが、子育てに対する心身の負担感や孤 立化の問題が指摘されている今日、新たな役割としての期待が高ま ってきている。 さらに障害のある子どもや児童数が減少した地域の子どもを体験 的に入所させ集団保育を行うため利用することもあり、このような 利用法は、保育所が人間交流あるいは集団活動体験の場として有益 であり、子どもの健全育成や教育的な効果が期待される。このよう に一時保育は保育所が地域内の社会資源として、在宅での子育てを 支援するうえで有効な役割を果たしていることが理解できる。 一時保育を受ける子どもは、継続的に保育を受けているわけでは ないので、一人ひとりの子どもの心身の状態や保育場面への適応状 況などを考慮して、柔軟に対応することが必要である。また、通常 保育への支障が生じないように留意するとともに、必要に応じて通 常保育への活動参加など相互に連携しながら保育を進めることが大 切である。